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喘息と水泳

投稿者 j_sugimoto 日時 2017年5月14日

小児喘息の改善法のひとつとして水泳があります。
水泳が良いと言われるのは、次のような理由によります。

(1)呼吸筋・呼吸機能を強化する事ができる
小児喘息の多くは大きくなれば治ると言われますが、それは成長とともに肺・呼吸機能が成長・発達するからです。
水泳は規則正しく呼吸をする事が基本になりますが、それが呼吸筋を強化し、呼吸機能を発達させます。

(2)肺活量を増やす事ができる
水泳は、呼吸筋を鍛えると共に、肺活量を増やす事ができます。肺活量を増やしておけば、発作が起きにくくなったり、発作が起きても軽症で済んだりします。

(3)気管支の収縮が起こりにくい
空気の乾燥は気管支の収縮を誘発し、発作を起こしやすくします。しかし、水泳は水中で行う運動なので、湿度が高く、発作が起きにくいです。

(4)水中では息を吐くのが楽にできる
喘息は、気道が狭くなって主に息が吐きにくくなる病気です。水中では、身体に水圧が加わることで、呼気時の気道内圧も上がるため、楽に息を吐くことができます。

(5)自律神経の鍛錬になる
水の中に入ったり出たりする事が皮膚への刺激になり、自律神経を鍛える事ができます。自律神経を鍛えると、発作が出にくくなります。

(6)体力がつき、風邪をひきにくくなる
水泳は、全身を鍛える事ができるので、体力がついて、食欲も増してきます。風邪をひきにくくなったり、ひいたとしても回復が早くなります。

水泳による小児喘息の改善効果は即効性はないことが多く、数ヶ月から数年程度続けた場合に少しずつ現れます。
また、重症児や運動誘発喘息の症状がある場合、稀に、かえって悪化するケースもあるので注意が必要です。