reservation.gif

胃腸炎が増えてきています。

投稿者 j_sugimoto 日時 2016年4月4日

最近、インフルエンザの患者さんはかなり減ってきましたが、急性胃腸炎の患者さんがやや増えてきています。検査をするとロタウイルスが検出されることが多いです。

ロタウイルスは、乳幼児の感染・発症率が高い感染性胃腸炎です。好発時期は2~4月ですので、まさに今の時期に流行しやすいウイルスです。

ロタウイルスの特徴ですが、もう一つの有名な急性胃腸炎のウイルスであるノロウイルスと較べて、吐き気や嘔吐は比較的軽めなことが多いのですが、下痢は激しいことが多く、熱も高め(38℃以上が多く、40℃近いこともあります)になりやすい傾向があります。
また、症状が長く続きやすいのもロタウイルスの特徴です。
ノロウイルスの場合は、激しい嘔吐で始まりますが、治まってくると回復も早いことが多いです。しかし、ロタウイルスの場合、ちょっと症状が良くなってきたと思ったらまた吐いて下痢してお腹も痛い、といった感じでだらだらと何日も続いて、結局は点滴や入院が必要になる患者さんは、ロタウイルスの方が多い、という印象です。

便が白くなるという特徴が有名ですが、実際には白くならないことも多く、逆に他のウイルスで白くなることもありますので、あまりアテになりません。
ただ、今までにもブログに書いたことがありますが、ロタウイルスでも他のウイルスでも治療や対処は全く同じです(ロタウイルスの特効薬はありません)ので、ロタウイルスかどうかにこだわることには、あまり意味はありません。当院でロタウイルスの検査をすることもありますが、ロタであることを確認することで、細菌性腸炎や他の腸の病気でないことを確かめる、というイメージです。
ロタウイルスでなければ嘔吐や下痢があっても保育園に行って良い、ということにもなりませんのでご注意ください。

また、ロタウイルスは、脱水以外に、まれですが、痙攣や脳炎・脳症など、合併症の恐れもあります。
水分が全く取れなくて尿が殆ど出ない時や、顔色が悪くぐったりしている時は、迷わず受診して下さい。

乳幼児に多いことから、おむつをつけているお子さんも多いので、下痢のためにおむつかぶれになって、お尻が赤くただれてしまうお子さんもいます。その場合は、おしりふきで拭くよりも、ぬるま湯で優しく洗い流してあげた方が、肌の負担が少ないです。その後で、軟膏を塗るようにすると、速やかに良くなることが多いです。
おむつかぶれになりやすいお子さんは、軟膏も処方しますので、受診された時に教えて下さいね。